今回はLevoit(レボイト)の中で一番高い空気清浄機「Everest Air」(スマート空気清浄機)をチェックしてみました。
この機種はずいぶん前から気になってたんですが、お値段がお値段だけに(約7万円ほど)、試してみたいと思いつつ、中々買えなかったんですね。
ダイソンの空気清浄機とも比べてみたので、参考になりましたら幸いです。
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この点が良い!
まず良いところからですが、見た目がすごく好きなんですよね。多分Appleが空気清浄機作ったらこんな感じかなっていうくらい凄くオシャレな感じ。

性能も良くて、「Home Appliance Manufacturersの協会」(家電製品の協会)によると、ダストCADR(クリーンエア供給率)が「365CFM」(1分間にどれだけの量の空気を綺麗にできるかっていう性能)で、テストルームで試したら、PM1の汚染物質(空気中に漂う目に見えない埃や煙など)をたった14分で全部除去しました。
これは今まで試した中でもトップクラスの速さ。しかも空気清浄力の割に消費電力が少なくて、最大のターボファン速度でも69.8ワットしか使わないんです。
扇風機で言えば風速を最大にすると40~60ワットぐらい。
扇風機と同じぐらいの電力で空気洗浄もできるみたいなイメージですし、40~50インチほどの液晶TVは80~150ワットぐらい電力を使うので、それよりもかなり少ない、とも言えますね
パワーがあるので低い風量でも十分に空気を綺麗にできるし、最低風量でも25分でPM1を除去できました。これは900ドル(約13万円)もする「iQA Health Pro Plus」(医療機関や研究施設で利用される非常に高い能力を持った空気洗浄機)と同じくらいの性能なんですね。
あと取り外し可能なプレフィルターがあるのも良い点です。これを定期的に掃除できるのは性能維持にすごく効きますから。
この点は少し気になる
次に、ちょっと気になる点について。
まずこの空気清浄機のフィルターは、ニオイを取るカーボンフィルターと、ホコリなどを取る粒子フィルターが一体型になっているんです。だからカーボンフィルターの寿命が来て交換したいと思っても、粒子フィルターも一緒に捨てないといけないのが、もったいないというか、少々残念。
性能自体はLavoの「Core 600」という機種とそんなに変わらないのに値段が結構高いので、コストパフォーマンス的には、ちょっと、うーん...っていう感じかもしれません。
他にも、デザインはすごくスタイリッシュで好きなんですが、本体下についてるキャスター(車輪)が、ちょっと動かしにくい感じがします。
何か一方向にしか動かないような感じですし、持ち手も後ろに一つしかないので力がないと持ち運びがそれなりに大変かもしれません。
両側に持ち手があったらもっと便利だったかなーって思いますけど、見た目を優先した結果なのかもしれませんね。
やっぱデザインは良いよね!
このEverest Airの一番好きなところはやっぱりデザイン。Lavoはこの機種でデザインをすごく優先してるのが伝わってきます。
大きな空気清浄機って機能重視で見た目がイマイチなものが多いと思いますが(いかにも空気清浄機、という感じで回りから浮く感じがしますよね)、たとえばLavo Core 600は「白い大きなオムツ入れ」みたいって言われてますし、iQA Health Pro Plusは「90年代のコピー機みたい」って妻が言ってました。(まぁ、気持ちは分かる)
見た目は気にしない人もいるけど、性能良くて見た目も良いものが欲しい人は多いので、Lavoはそこをうまくやってる、両立させてるな、と思います。
側面のシルバーの枠は金属っぽいけどプラスチックで、前面のカバーやロゴのデザインもすごく良いです。ファンの角度も変えられますし、操作パネルの画面は光沢のある黒でガラスみたいに見えます(実際はプラスチックですけど)。
空気の質を測るセンサーもついていて、部屋の空気の状態をリアルタイムで表示してくれます。センサーは「Air Sight Plus」っていうもので、これが空気の状態を感知して、操作パネルや専用アプリのV Syncに情報を送ってたりするんですね。
「V Syncアプリ」も悪くないです。
これまで結構いろんな空気清浄機のアプリを試してきましたけど、LavoのはWi-Fi接続が安定していて、複数のLavo機器を一つのアプリで管理できます。
ただアプリの上部にLavoの他の製品を売り込む大きな広告ブロックがあるのが、ちょっと残念な感じがしないでもないです。そうした点ではDysonのアプリの方が好みにはなりそう。そうは言いつつも、スマート機能としては必要なものは全部揃ってます。
性能の信頼性とHEPAフィルター問題
Lavoは全製品を、信頼できる「CADR(クリーンエア供給率)」というテストに出していて、これは家電製品の業界団体が実施しているもので、空気清浄機の実力を測るための世界的に認められた基準になってます。
Everest Airは、このCADRテストで、煙に対して363 CFM、ホコリに対して365 CFM、花粉に対して428 CFMという数値を出しています。
何のことか良く分からないと思いますが、この空気清浄機が、それぞれ煙・ホコリ・花粉をどれだけ素早くキレイにできるかを示していて、数値が高いほど高性能、ということになります。
この数値からすると、Everest Airは最大で約52.3平方メートルの広さの部屋に対応できる、ということになり、一般的な空気清浄機が対応できる広さよりも、かなり広い範囲になりますね。
ただ、この機種が最初に宣伝されたときには、「True HEPA」フィルター(凄く性能の良いフィルター)を使っている、ということになっていたんです。でも、Lavoの公式サイトを見てみると、今はもう「HEPA」という言葉がどこにも書かれてません。(一部から指摘があったため)
実はこの「True HEPA」という言葉には、明確な基準や定義がなく、性能が良いので単純に使っていたといことになるのでしょう。
こうしたことを気にする人もいるかもしれませんが、「HEPA」という言葉が使われていないからといって性能が悪いわけではないし(というか凄く良い)、LavoのCADRテストの結果も良いですし、実際試した結果、粒子を除去する能力はすごく高いことが分かります。
フィルターの構造と交換コスト
もうひとつ気になる点を挙げるとすると、
カーボンフィルターと粒子フィルターが一体化してること。
カーボンは約6ヶ月くらいで使い切ることが多いですが、臭いが戻ってきたら交換のサイン。でも一体型だからカーボンだけ交換できなくて、フィルター全部を捨てることになる。これってもったいないし、コストもかかります。
他のメーカーはカーボンと粒子フィルターを分けてて、カーボンだけ交換できるようにしてるので、Lavoも次のモデルではそうしてほしいですね。今のカーボンは粒状のもので、安い機種にある布製のカーボンとは違ってガスや臭いをよく吸着します。量はそこまで多くないけど、性能は良いです。
Coreシリーズと違って、Everest Airはフィルター交換の選択肢が一種類だけ。Coreシリーズは用途別に選べるんですけど、Everest Airは標準フィルターのみ。
そうは言いつつも、プレフィルターは取り外せて掃除しやすいのも良い点だと思います。Core 300はプレフィルターがメインのフィルターにくっついてて掃除が大変なので、Everest Airのこの仕様は使う上でかなり助かります。
プレフィルターは2~3ヶ月に一度は掃除した方が良いですね。汚れたままだと性能がかなり落ちます。
性能テストの結果
ここまで色々書きましたが、このLevoit Everest Airの性能をテストしました。他の空気清浄機と比較することで性能の違いをはっきりと見るようにしてます。
今までも比較テストをしてますが、Purple Airのセンサーを使って、実際に空気中のPM1の汚染物質をどれほどで除去できるか計測してみると14分。
このセンサーを元に他の空気清浄機と比較してみると「Air Doctor 3000」という500ドル以上(約7万円以上)する機種で14分、Smart Airの「Smart Blast Mini」という649ドル(約9万円)する大型機種が12分、「Lavo Core 600S」が15分、Blueairの「Blue Pure 211 Plus」というイオンテクノロジーを使った機種が18分でした。
Everest Airは他の機種と比較しても、非常に良い結果を出していることが分かります。大型の空気清浄機のメリットはその空気清浄能力の高さですが、低いファン速度でも、広い部屋の空気をキレイに保てることが大きなメリットになりますね。
静音性テスト
空気清浄機を選ぶ上で、空気清浄能力の次に重要なのは「音の大きさ」。
空気をキレイにする能力が高くても、ジェットエンジンのような音がするのではうるさくて意味がありません。そこですべての空気清浄機を、だいたい90cmほど離れた場所から、騒音計で測定してみました。
スリープモードでは「35.9dB」、スピード1では「39.1dB」、スピード2では「43.2dB」、スピード3では「48.6dB」、そしてターボモードでは「57.8dB」でした。
他の同程度のパワーを持つ機種と比較してみると、Air Doctor 3000が最大「63.6dB」、Smart Blast Miniが「56.3dB」、Levoit Core 600Sが「61.4dB」、Blueair Blue Pure 211が「55.7dB」となりました。
これらからすると、Levoit Everest Airは、高い空気清浄能力を持ちながらも、比較的静かな機種だと言えそうですね。
先ほども言いましたが、
この機種を最低ファン速度でテストしたところ、39.1dBで、25分で部屋の空気をキレイにすることができました。
仮にですが、約52.3平方メートルよりも狭い部屋で使うのであれば、この機種のような高性能な空気清浄機を「ほぼ無音に近い状態で運転させながら十分な量のキレイな空気を供給することができる」ということになります。
長期的なコストを見てみると
HEPAフィルターであれ、そうでないフィルターであれ、すべてのフィルターは時間が経つにつれて交換が必要になります。フィルターがホコリやガス、ニオイでいっぱいになると効果がなくなってしまうからです。
多くのメーカーは、小型の空気清浄機の場合6ヶ月ごとにフィルターを交換することを推奨していますが、大型の空気清浄機の場合は12ヶ月ごとくらいが多いようです。Levoitの場合では、Everest Airのフィルター交換頻度は12〜15ヶ月ごとを推奨しています。
粒子フィルターは15ヶ月くらい持つかもしれませんが、カーボンフィルターはもっと頻繁に交換する必要があると思うので、ここでは12ヶ月でちょっと計算してみましょう。
純正フィルターの価格は約1万4千円。(2パックで2万4千円というのもある)
10年間この空気清浄機を使った場合、フィルター代は約14万円かかることになりますが、これは他の空気清浄機と比較しても平均的な金額と言えそうです。
仮にLavo以外のメーカーからも互換性のあるフィルターが販売される可能性も考えると、そういったフィルターを使えば、もう少しランニングコストを抑えられるかもしれません。
まとめ
最後にまとめてみると、まず良かった点。
- デザインが素晴らしい。
- 性能が高い。
- 比較的静音性が高い。
- プレフィルターが掃除しやすい。
- アプリが使いやすい。
次に、気になった点をまとめてみると、
- フィルターが一体型なので、カーボンフィルターだけ交換できない。
- 価格が高い。
- キャスターが動かしにくい。
全体的には、Levoit Everest Airは、デザイン性と性能を両立した、非常に優れた空気清浄機だと感じました。特にデザインを重視する方や、広い部屋で使いたい方には、おすすめです。
ただ価格が高いことやフィルターが一体型であることなど、いくつか気になる点もあるので、そうした点も含めて検討してみてくださいね。
今回のレビューは以上!
少しでも参考になれば嬉しいです。
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